大学院での研究室を選ぶときの参考ページです。

工学研究科マテリアル・開発系の学生が対象です。本研究室の学生は知能デバイス材料学専攻となります。

大学院修士課程講義:デバイス材料プロセス学の講義資料(アクセス制限あり)

固体電子論の講義資料(アクセス制限あり)

メッセージ

 「時には道をそれて藪の中に入ってみよう。知らない何かがきっとそこにあるはずだ」

 誰も知らなかった未知の現象を見つけることは簡単ではありませんが、常に前向きな姿勢で、好奇心を旺盛にして、目の前の現象を注意深く観察していると、いつかはきっと何か新しいことに出会うはずです。その時、必ず未経験の深い感動を覚えるはずです。

 本研究室では、広い意味でレーザーを使った材料科学の研究を行っています。従来の材料科学の枠組みに捉われずに、新しい道具(レーザー)の潜在能力を最大限に生かすような新しいテーマに取り組んでいます。

 知らないことが多いけれど、だからこそ未知なることへ挑戦できる。 こんな考えに共感できる人を歓迎します。

具体的な研究テーマ

1.レーザー光を用いた原子運動制御とナノファブリケーション

(光の力を利用して原子速度や位置を制御する方法の開発と、ナノ構造物作製、表面の超精密分析技術への応用)

2.速度選択光励起によるドリフト現象の観測と同位体分離への応用

(特定の速度を持つ原子・分子の選択励起による光誘導ドリフトの観測と、高い分離係数を持つ新しい同位体分離法開発への応用)

3.パルスレーザーアブレーションによる酸化物窒化物薄膜作製

光触媒であるTiO2酸化物への高濃度硫黄、窒素ドーピングや、フェムト秒レーザーの利点を生かしてワイドバンドギャップ半導体として期待されている窒化物薄膜を作製する)

4.軸対称偏光レーザービームを用いた光トラッピング

(今までにない偏光特性をもったレーザービームを発生させ、不透明あるいは高屈折率物質でも光トラッピングが可能となる新規技術を開発す

波長の制御

 

 レーザー光の波長はレーザー媒質によってほぼ決まっています。そのスペクトル幅は波長の約10万分の1くらいなので、通常の光源に比べるとはるかに純度の高い単色な光となっています。しかし、さらに3桁ほどスペクトル幅を狭くした上で、外部の波長基準を使ってその中心波長を安定化すると、特定の原子のみを励起できるようになります。この場合、光の力を使ったレーザー冷却と呼ばれる方法によって原子の運動を制御できるようになります。また、特定の速度をもつ原子だけを励起することによって、光誘導ドリフトを起こし、同位体分離に応用可能となります。本研究室では、半導体レーザーを用いて、単色原子ビームの簡単な発生法や同位体分離の実験を進めています。詳細

スペクトル幅の制御

 

 通常のレーザー光のスペクトル幅は、レーザーの種類や構造などに応じてほぼ決まっています。逆に言うと、こんなスペクトル幅のレーザー光が欲しいといっても、簡単には得られません。本研究室では周波数変調技術を用いてレーザー光のスペクトル幅の制御を行っています。これを原子の吸収に同調することで効率的な原子励起を行うことが可能になります。本研究室では、これをレーザー冷却と呼ばれる方法に応用して、簡便で制御性の良い冷却原子線の作製を行っています。この冷却原子線をさらに別のレーザー光によってナノメートル程度まで絞ることによって、ナノファブリケーションの基礎技術を確立しようとしています。詳細

パルス幅の制御

 通常のレーザー光は連続波またはパルスです。パルスの場合、Qスイッチという方法が多く用いられその幅は数ナノ秒(~10-9sec)です。さらにモード同期法と呼ばれる方法を使うと、約100フェムト秒(~10-13sec)以下のパルスを得ることができます。この程度のパルス幅は電子-格子緩和時間よりもずっと短いので、超高速現象の解析に用いられます。また、瞬間的に強い光が生じているので、物質に照射すると吸収によって簡単に数1000度まで温度が上昇します。結果として、その高温の部分が蒸発しますので、これを薄膜作製に使用することができます。本研究室では光触媒であるTiO2の高機能化や、窒化ボロンなどの硬くてバンドギャップの大きな物質の作製を試みています。特に、フェムト秒レーザーの特性を生かした研究を進めています。詳細

偏光分布の制御

 の偏光には直線偏光や円偏光が知られていますが、通常その空間分布は一定です。つまり、その場所でも同じ偏光を持っています。ところが最近、放射状(径偏光)や回転状(方位偏光)のレーザー光を発生させることができるようになりました。さらに、径偏光のレーザー光を集光すると極めてユニークな特性が現れることがわかってきました。本研究室では、従来は本質的に困難であった不透明物体の光トラッピングの実現を目指して、実用的な径偏光レーザーの発振を試みています。さらに、集光の際の光の強度分布の計算を行い、応用上興味深いいくつかの発見をしています。詳細

実験装置

実験室の主な装置のリストです。様々な種類のレーザーを使用しています。装置はこちら

連絡先

詳しいことを知りたい人は、いつでも連絡ください。 小澤(内線5146)