monochromatic atomic beam

isotope separation

thin film deposition of TiO2

thin film deposition of BN

nano-particle

radially polarized beam (experiment)

radially polarized beam (calculation)

 

フェムト秒レーザーアブレーションによる窒化ボロン薄膜の作製

 

窒化ボロン(BN)がとりうる構造のうち、閃亜鉛鉱型(c)、ウルツ鉱型(w)は、高硬度で熱伝導率が高く、またバンドギャップが大きいため、将来紫外領域での受光素子などとしての利用が期待されている。我々は、フェムト秒レーザーアブレーションにより発生する原子やイオンの高エネルギー特性を利用したBN薄膜の作製を試みている。

真空チャンバー内に設置された多結晶c-BNまたはh-BNターゲットにフェムト秒Ti-Sapphireレーザーからの波長780nmのフェムト秒パルスを所定の強度で集光し、ターゲットの対面に置かれたSi(100)基板上に薄膜を作製している。エクリプス法では、アブレーションにより発生するプルームを雰囲気ガスと衝突・偏向させるため、雰囲気ガスとしてアンモニアを所定の圧力で導入し成膜を行っている。得られた薄膜の構造はFTIR、SEM、TEMなどを用いて評価している。

図1に作製した膜のFT-IRによって得られた赤外吸収特性を示す。 h-BNターゲットを用いたBN膜はh-BN相が主である。これに対して、c-BNターゲットを用いたBN膜の場合には、w-BN相が主成分であることが示唆される。w-BNの薄膜については従来ほとんど報告例がないため、材料としての特性を探る上でも有用な結果であると考えられる。

ターゲットを提供して頂いた住友電工に感謝します。

Reference; T. Shimizu, T. Yoneyama and S. Sato, Characterization of Boron Nitride Thin Films Prepared by Femtosecond Pulsed Laser Deposition, presented in CLEO Pacific RIM (Paper CFE2-3, Tokyo, 2005).