radially polarized beam (experiment) radially polarized beam (calculation)
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半導体レーザーを用いた光誘導ドリフト効果の改善
光誘導ドリフト(LID)は,バッファーガス中で原子を速度選択して励起するときに,励起状態と基底状態の拡散係数の違いから生じるドリフト効果である.原子の吸収における同位体シフトが,レーザーのスペクトル幅よりも大きいときには,この光誘導ドリフトは同位体分離に利用することができる.
我々は,波長可変の半導体レーザーを用いて光誘導ドリフトによる同位体分離の効率の改善を試みている.これまでに,新たに半導体レーザーを加えて,光ポンピング効果を抑えることによって,同位体分離の効果を大幅に改善できることを見出した.光誘導ドリフトのためのレーザーシステムの
開発1)やドリフト現象の観測2)を進めている.
図1 光誘導ドリフトの様子。左側だけRbの発光がみられる。 1) K. Sasaki, T. Yoneyama, T. Nakamura, S. Sato and A. Takeyama, Semiconductor laser based, injection locking maintaining broad linewidth generated by a direct current modulation of a master laser, Rev. Sci. Inst. 77, 096107 (2006). link 2) M. Okamoto, T. Nakamura, and S. Sato, Observation of light-induced drift effect of Rubidium by using two diode lasers for pumping and re-pumping, Materials Transactions 49, 2632 (2008). link |