monochromatic atomic beam

isotope separation

thin film deposition of TiO2

thin film deposition of BN

nano-particle

radially polarized beam (experiment)

radially polarized beam (calculation)

雰囲気制御型PLDによる光触媒部分窒化チタン酸化物膜の合成

 

光触媒材料として知られるチタン酸化物(TiO2)では、異種原子のドーピングによる光触媒特性の改善が報告されている.一方,光触媒材料を水の光分解に用いる場合には水との分離・回収などの点から薄膜化して用いることが望まれている.PLD法ではターゲット物質や成膜雰囲気といった成膜条件を制御することにより,様々な化合物の薄膜を容易に作製でき,それらを積層化することもできる.そこで本研究ではPLD法の持つこれらの特徴を活かして,窒素源としてアセトニトリルガス雰囲気での製膜を行い、作製された薄膜の構造と光特性について詳細な検討を行っている.反応系は10-6 Torrに排気した後密閉し,ニードルバルブによりアセトニトリルガス(CH3CN)を導入し所定の分圧に設定している.ルチルターゲットを用い,Nd:YAGレーザー(200 mJ,10 Hz)により50秒の製膜を行っている.

ガスを導入しないで作製した場合、得られた薄膜の色は灰色であったが,ガス分圧の上昇に伴い変化し,4 × 10-2 Torr近傍ではオレンジ色となることが分かった.アセトニトリルガス分圧を変化させて作製した薄膜の紫外−可視光吸収スペクトルを図1に示す.薄膜の光吸収中心位置は二硫化炭素分圧の上昇に伴いレッドシフトし,4×10-2 Torrで作製した薄膜は可視光領域に吸収を示していることがわかる.従って本手法はチタン酸化物の光特性改善に有効であることがわかった.

文献

1) Preferential formation of anatase in laser-ablated titanium dioxide films, T. Nakamura, T. Ichitubo, E. Matsubara, A. Muramatsu, N. Sato and H. Tahahashi, Acta Mater., 53 (2005) 323-329

2) Study on fabrication of titanium oxide films by oxygen pressure controlled pulsed laser deposition, T. Nakamura, E. Matsubara, K. Hayashi, N. Sato, A. Muramatsu and H. Takahashi, Mater. Trans. JIM., 45 7(2004) 2068-2072.

3) Partial sulfurization of laser-ablated titanium oxide film for the improvement in photocatalytic property, T. Nakamura, M. Arata, H. Takahashi, K. Yamamoto, N. Sato, A. Muramatsu and E. Matsubara, Mater. Trans. JIM., 44 4(2003) 685-687.