monochromatic atomic beam

isotope separation

thin film deposition of TiO2

thin film deposition of BN

nano-particle

radially polarized beam (experiment)

radially polarized beam (calculation)

 

半導体レーザーによる単色セシウム原子ビームの発生

 

原子ビームの運動をレーザーで精密に制御する新たなナノ構造作製法の開発を進めている。熱的に発生した原子ビームの速度はMaxwell-Boltzmann分布に従って広がっているため、これを精密に制御するには、まず広がった速度分布を制御することが不可欠である。そこで我々はナノ構造物作製の準備段階としてレーザー冷却技術を用いた原子ビームの速度分布の単色化技術について検討している

Fig.1に我々が検討した単色化方法の概念図を示す。上段は原子ビームの速度分布、下段は減速用レーザーのスペクトルである。熱的に発生させた原子ビーム(@)に対して、スペクトル(A)を持つFM変調半導体レーザーにより一段目の減速を行う。これで得られた速度分 布(B)に対して、スペクトル(A)より立ち上がりの鋭いスペクトル(C)を持つFM変調外部共振器半導体レーザーにより二段目の減速を行い、単色原子ビーム(D)を得る。この方法では、スペクトルの緩やかな立ち上がりに起因する過減速を小さくすることが可能である。

実際に453Kで熱的に発生させたセシウム原子ビームの二段階減速を行った結果、一段目のみの減速と比較してより単色度の高い原子ビームが得られている1。 また、2つのレーザービームで高速および低速側から挟み込むようにして原子ビームの減速を行い、狭い速度幅を保ったまま、中心速度を変化させることも実証した2

原子ビーム集光のための、波長可変・狭線幅な軸対称偏光レーザービームの開発も行っている3

参考文献

1. T. Yoneyama and S. Sato, Two Step Deceleration of Cesium Atomic Beam by Frequency Modulated Diode Lasers, Optical Review, 12, 456 (2005). link

2. T. Hirayama and S. Sato, Velocity Control of Cesium Atomic Beam using Two Frequency-modulated External-cavity Diode Lasers, Jpn. J. Appl. Phys., 45, 8910 (2006). link

3. T. Hirayama, Y. Kozawa, T. Nakamura and S. Sato, Generation of a cylindrically symmetric, polarized laser beam with narrow linewidth and fine tunability, Opt. Express, 14, 12839 (2006). http://www.opticsexpress.org/abstract.cfm?id=121400